期間工はやめとけといわれる理由は?
「期間工はやめとけ」というアドバイスを見かけることがあります。たしかに期間工は高収入が期待できる一方、肉体的な負担や不安定な雇用形態など、考慮すべき課題も少なくありません。
期間工として働き始めたものの、想像以上の仕事の厳しさや生活リズムの変化に戸惑い、短期間で退職してしまうケースも。しかし、期間工には向き不向きがあり、一概に「やめとけ」とはいえないのが実情です。
本記事では、期間工の仕事における現実的な課題や注意点を解説します。また、どのような人に向いているかも紹介しますので、期間工への就職を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。
期間工とは?
期間工とは、製造業を中心とした企業で、一定期間の雇用契約を結んで働く従業員のことを指します。おもな自動車メーカーや電機メーカーなどの大手企業で採用されることが多く、生産ラインでの作業を担当します。
期間工のおもな特徴は以下のとおりです。
特徴 | 詳細 |
契約期間 | 通常3ヶ月から6ヶ月、最長2年11ヶ月まで更新可能 |
雇用形態 | 企業と直接雇用契約 |
業務内容 | 部品の組み立て、不良品検査、機械操作など |
未経験者可 | 特別なスキルや経験は不要 |
高収入 | 一般的に高い給与水準 |
福利厚生 | 正社員同様の福利厚生を受けられる |
期間工は、短期間で高収入を得たい人や、製造業での経験を積みたい人にとって魅力的な働き方の1つです。ただし、契約期間に制限があることや、体力を使う仕事が多いことなどデメリットもあるため、自身の目的や適性に合わせた検討が重要です。
期間工のデメリット
期間工は高収入が期待できる一方で、いくつかの課題があります。ここでは、期間工として働く際に考慮すべき6つのデメリットを解説します。
- スキルが身につかない
- やりがいを感じにくい
- 安定していない
- 期間工以外の職に就きづらい
- 肉体的にきつい仕事が多い
- 生活習慣が乱れやすい
将来のキャリアプランを考えるうえで、これらの課題を理解しておくことが大切です。
デメリット①スキルが身につかない
期間工の仕事は、マニュアル化された単純作業が中心となっています。そのため、誰でもすぐに始められる反面、将来的に生かせるスキルを身につけることが難しい職種といえます。
具体的には以下の状況に直面することが多いでしょう。
- 決められた工程の繰り返し作業
- 機械操作は最小限の範囲のみ
- 専門的な知識や技術を必要としない作業
- 改善や工夫の余地が少ない
とくに問題となるのは、期間工の経験が一般的な転職市場で評価されにくい点です。ただし、フォークリフトなどの資格取得や、正社員登用試験への挑戦などの取り組みをすれば、期間工でもスキルアップできます。
このように、与えられた作業をこなすだけでなく、自ら積極的に自己研鑽を目指す姿勢が重要です。
デメリット②やりがいを感じにくい
期間工の仕事は、基本的に単調な作業の繰り返しとなることが多く、仕事にやりがいを感じにくいという課題があります。そのおもな理由は以下のとおりです。
理由 | 具体的な内容 |
目標設定の難しさ |
|
コミュニケーションの制限 |
|
裁量権の少なさ |
|
このような環境下では、仕事を単なる「作業」として捉えてしまい、モチベーションの維持が難しくなりがちです。とくに、これまでクリエイティブな仕事や、自己裁量の大きい仕事をしてきた方にとっては、大きなストレス要因となる可能性があります。
デメリット③安定していない
期間工の雇用契約期間は、一般的に下記のようになっています。
- 初回契約:3〜6ヶ月
- 更新可能期間:最長2年11ヶ月まで
- 更新単位:3〜6ヶ月ごと
多くの企業では契約更新制度を設けていますが、生産調整や業績不振による人員削減、勤務態度や能力不足などの理由で更新されないケースがあります。
とくに自動車業界などでは景気変動の影響を受けやすく、生産調整による契約打ち切りのリスクが高いといえるでしょう。さらに、最長2年11ヶ月という期間制限があるため、それ以降は一度退職する必要があります。
このように、期間工は短期的には一定の収入が見込めるものの、長期的な雇用安定性という面では課題があります。次の仕事を見つけるまでの期間に備えて、計画的な貯蓄や次のキャリアプランを考えておくことが重要です。
デメリット④期間工以外の職に就きづらい
期間工として働いたあと、ほかの職種に転職する際に大きな壁に直面することがあります。その理由は以下の3つがあげられます。
- 職務経歴書での説明が困難
- 異業種への転職時の経験値として認められにくい
- 正社員の実務経験として評価されない
期間工は製造現場での作業が中心となるため、事務職や営業職など異なる職種への転職を目指す場合、関連性を示すことが難しくなります。
また、期間工を数年続けたあとに転職を考えた場合、年齢が上がっていることで、新卒採用や若手向けの求人に応募しづらくなるでしょう。とくに30代以降になると、正社員の就職がより困難になる傾向があります。
このような課題に対し、働きながら資格取得を目指し、正社員登用制度のある企業を選んで応募するなど、計画的なキャリア形成の意識が肝要です。
デメリット⑤肉体的にきつい仕事が多い
期間工の仕事は、持ち場や勤務先の製造ラインによってさまざまですが、多くの場合で体力的な負担が大きくなります。おもな身体的負荷は、以下の特徴があげられます。
区分 | 具体的な内容 |
身体的負担 |
|
環境面での負担 |
|
これらの負担は腰痛や肩こり・睡眠障害、疲労の蓄積などの健康上の問題を引き起こすリスクがあります。とくに、自動車製造などの製造ラインでは、決められた時間内での正確な作業が求められ、集中力と体力の両方が必要となります。
デメリット⑥生活習慣が乱れやすい
期間工の仕事は、2交代制のシフト勤務となっています。そのため、一般的な日勤の仕事と比べると生活リズムが不規則になりやすい傾向があります。具体的には以下の生活習慣の乱れが起こりやすいでしょう。
- 昼夜逆転の生活による睡眠リズムの乱れ
- 不規則な食事時間による栄養バランスの崩れ
- 休日の生活リズムと勤務日の生活リズムの大きな差
- 夜勤明けの体調管理の難しさ
寮生活をする期間工の多くは、同じ職場の人との付き合いで夜更かしや自炊をする時間・意欲が減少しがちです。
また、運動不足になりやすく、休日の過ごし方も不規則になりやすい傾向があります。このような生活習慣の乱れを防ぐためには、意識的な生活管理が必要になります。
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期間工に向いている人の特徴
期間工にはさまざまな課題がありますが、一方で大きなメリットもあります。ここでは、期間工という働き方がとくに向いている人の特徴を3つ紹介します。
- 短期間で高収入を得たいと考えている
- 生活費の補助が出る可能性がある
- 未経験から手に職をつけたいと考えている
ご自身の目的や状況と照らし合わせることで、期間工が合っているかどうかの判断材料となるでしょう。
短期間で高収入を得たいと考えている
期間工の給与体系は、未経験者でも高収入を得られるよう設計されています。時給は1,470円からスタートし、残業・深夜勤務では1,911円、休日勤務では2,132円と高水準です。2直2交替制の職場では、月収31万5,947円程度が見込めます。また、各種手当や一時金制度も充実しています。おもな収入例は以下のとおりです。
- 基本給:月給25万円程度(時給1,470円×7.83時間×21日)
- 残業手当:月5万円程度
- 深夜勤務手当:月3万円程度
- 入社祝い金:総額100万円(1~2ヶ月目が40万円、3ヶ月目が20万円、6ヶ月目が40万円)
ただし、入社祝い金には出勤率93%以上の維持など、一定の条件を満たす必要があります。このような高収入を得られる環境は、短期間で一定額の貯蓄を目指す方にとくに向いているといえるでしょう。
生活費の補助が出る可能性がある
期間工の待遇面では、実質的な収入増加につながる制度が充実しています。とくに生活費を大きく抑えられる各種補助制度は、貯蓄率を高めたい方にとって大きなメリットとなっています。おもな補助制度は以下のとおりです。
- 寮費無料(光熱費、水道代込み)
- 食事補助(1日137円)
- 生産協力金(月2万円)
- 契約更新謝礼金(年20万円)
- 通勤手当(規定による)
これらの補助により、給与の大部分を貯蓄に回すことが可能です。とくに寮費が無料となる点は、家賃や光熱費などの固定費を気にせずに生活できる大きな利点です。
地方からの単身赴任者や、生活費を抑えながら貯蓄を増やしたい方にとって、魅力的な制度といえるでしょう。また、寮生活を通じて同僚との交流も深められ、働きやすい環境作りにもつながっています。
未経験から手に職をつけたいと考えている
充実した研修制度により、未経験者でも安心してスタートできる環境が整っています。専用の設備・機械を使用した実践的な研修が用意されており、年齢や性別を問わず、誰でも確実にスキルを身につけられます。また、製造業の基礎から丁寧に指導を受けられるため、モノ作りの世界で必要な知識や技術を段階的に習得できるでしょう。
経験できるおもな業務は以下のとおりです。
- 組付け(製造ラインでの部品組み立て)
- 加工(専用機械による部品加工)
- 検査(製品の品質チェック)
- 物流(製造ライン間の部品運搬)
将来のキャリアアップを見据え、正社員登用制度も用意されています。大手メーカーでの勤務経験は、製造業でのキャリアを築くうえで貴重な足がかりとなります。とくに未経験から製造業での正社員を目指す方や、モノ作りの基礎から学びたい方に向いているでしょう。
また、製造現場での経験は、将来独立して事業を始める際にも役立つ知識となります。安全管理や品質管理など、製造業の重要な基礎知識も習得できます。
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