期間工の税金はやばい?納付方法も解説
期間工は一定期間ごとに複数の職場を転々とする職業です。給与も高く、スキルさえあれば学歴に関係なく活躍できるため、人気の職業です。反面、1つの企業に長期間属さない特性から、税金周りの手続きに不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
期間工は契約先の企業が税金を支払ってくれるため、基本的に自身での手続きは不要です。しかし、適切な知識を持っておけば、税金の申告漏れを防げる、控除が受けられるなどのメリットがあります。
この記事では期間工の税金に関する知識を詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。
期間工の税金の納付方法
期間工は、自分で税金を納める必要がありません。期間工は、企業と一定期間の雇用契約を結ぶため、源泉徴収が適用されます。一般的な会社員と同様に、給与から税金や保険料が差し引かれ、雇用先が変わりに税金を納付してくれます。
ただし、契約期間終了後に新規の取引先と契約を結ばない場合は、自分で支払いが必要です。住民税は前年の年収から割り出された金額が課税されます。そのため、年内に一定の所得が発生している場合、契約の有無に関わらず翌年に請求がきます。給与天引きの感覚に慣れていると、払い忘れることもあるため注意しましょう。
納付は、住民票の住所に届く請求書を持って、コンビニや銀行で支払います。。不規則に雇用契約を行っているなど、管理が面倒な場合は、税理士に任せてしまうのもおすすめです。
期間工が給与から差し引かれる税金の種類
期間工の給与からは、下記3つの税金が差し引かれます。
所得税 | 給与などの年間所得に対して課税される税金 |
住民税 | 住んでいる都道府県・市区町村に納める税金 |
社会保険料 | 病気・怪我などの治療費、介護負担を軽減するための公的な保険 |
それぞれ金額や支払い理由が異なるため、正しく理解しておくことが大切です。各税金の概要を、詳しく解説していきます。
所得税
所得税は、個人の年間所得に対して課税される税金です。所得の増加に応じて課税率も上がるため、年収に応じて納める金額も高くなります。
課税対象の所得金額 | 税率 | 控除額 |
1,000〜194万9,000円 | 5% | 0円 |
195万〜329万9,000円 | 10% | 9万7,500円 |
330万〜694万9,000円 | 20% | 42万7,500円 |
695万〜899万9,000円 | 23% | 63万6,000円 |
900万〜1,799万9,000円 | 33% | 153万6,000円 |
1,800万〜3,999万9,000円 | 40% | 279万6,000円 |
4,000万円以上 | 45% | 479万6,000円 |
参考:所得税の税率|国税庁
たとえば年収が500万円の場合、下記の計算になります。
500万円(課税所得) × 0.2%(税率) - 42万7,500円(控除額) = 57万2,500円(所得税)
住民税
住民税は、居住している地域の運営・発展のために納める税金です。年収に関係なく課税額は一律で、「同年の1月1日から12月31日までに発生した課税所得に対して10%」となります。「都道府県民税」と「市町村民税」の2つで構成され、税率の内訳は下記のようになります。
都道府県民税 | 4% |
市町村民税 | 6% |
参考:個人住民税|総務省
ただし、上記はあくまで標準税率です。各税金の税率を変更する権限は地方自治体が持っています。住んでいる地域によって税率が異なる場合があるため、各市町村のホームページで確認しましょう。
住民税は扶養家族の有無やふるさと納税・医療費控除制度などの利用によって控除額が変わります。計算が複雑なため、自身で算出する必要がある場合は会計ソフトを使う、税理士に丸投げするなどの対応がおすすめです。
社会保険料
社会保険は下記3つからなる公的な保険の総称で、厳密には税金ではありません。しかし所得税などと同様に、支払いが法律で義務付けられています。
健康保険 | 病気や怪我などの治療費を軽減するための保険 |
介護保険 | 要介護者が少ない自己負担で介護サービスを受けるための保険 |
厚生年金保険 | 将来厚生年金を受け取るための保険 |
社会保険にはさまざまな種類があり、税率や保障内容も異なります。基本的には雇用先の企業が計算し、半額を負担してくれるため、個人で気にする必要はないでしょう。
ただし、社会保険に加入できるのは企業との契約期間のみです。新規の契約を結ばない場合、国民健康保険への加入義務が生じます。加入しないと怪我や病気の治療費が全額自己負担となるだけでなく、法律を犯すことになるため注意してください。
関連記事:期間工が加入する年金は?年金の仕組みもあわせて解説
期間工をやめる際の注意点
期間工の魅力は特定の企業に縛られず、自分のペースで働ける点です。好きなときに離職できますが、下記2つの点には注意が必要です。
- 翌年の住民税が高くなる可能性がある
- 健康保険の切り替え手続きを行う必要がある
知識を持っていないと、法を犯してしまうこともあるため、必ず理解しておきましょう。それぞれ詳しく解説します。
翌年の住民税が高くなる可能性がある
住民税は当年の年収から課税所得額を算出し、翌年に請求する仕組みです。そのため、前年に所得があれば、無収入でも請求がきます。
とくに、期間工として高い給与を受け取っていた場合は注意が必要です。無計画に仕事をやめたり、転職したりすると収入に見合わない請求が届き、生活が圧迫されるおそれがあります。したがって、離職する場合は住民税用に貯金しておく、給与水準が変わらない仕事に就くなど、計画的に進めることが大切です。また収入が減った場合は、市区町村の窓口で申告すれば、住民税の見直しも可能です。やむを得ずやめる場合などは、必ず相談しましょう。
健康保険の切り替え手続きを行う必要がある
期間工として企業と雇用契約を結んでいる場合、社会保険に加入できます。やめると加入ができなくなるため、下記いずれかの手続きを行う必要があります。
- 社会保険を任意継続する
- 国民健康保険に加入する
契約終了日から20日以内に、保険組合に必要書類を添えて申請すれば、社会保険を継続可能です。ただし、契約中は会社と折半していた保険料が全額自己負担となるため、支払額は大幅に増えます。
国民健康保険とは、社会保険などに加入していないすべての人に加入義務がある保険制度です。そのため、社会保険を継続しない場合は必ず切り替える必要があります。必要書類を用意し、住んでいる地域の役所で申請すれば加入できます。国民健康保険料は、年齢や地域、収入などによって金額が異なるため、居住地域の自治体のWebサイトなどで確認しましょう。
期間工の年末調整
年末調整とは、1年間の所得税が正確に計算されているか確認し、納める税金を調整するための作業です。適切に年末調整を行えば、支払う税金の過不足をなくせます。また万が一払いすぎていた場合は、還付金を受け取ることも可能です。
多くの場合、契約先の企業が年末調整も行ってくれますが、誤差が出ることもあるため自身でも計算してみるのがおすすめです。また、下記のケースでは控除制度などの兼ね合いで、税金額が変わることから年末調整が必須になります。
- 扶養家族が増減した
- 扶養家族や配偶者が障害者になった
- 本人が寡婦・1人親・障害者になった
また年末調整は、医療費控除を使う予定がある、新規で住宅ローンを組んだなど、さまざまな条件で計算が複雑になります。とくに収入が多い方は、税理士に依頼するのがよいでしょう。
期間工に適用される控除
期間工では、下記の控除を利用可能です。
- 配偶者控除
- 配偶者特別控除
- 扶養控除
- 障害者控除
控除制度を利用すれば税金の負担を軽減できるため、該当するものがないか必ず確認しましょう。また適用のためには、年末調整の際に申告が必要です。忘れると必要以上の税金を払うことになるため注意してください。それぞれ詳しく解説します。
配偶者控除
配偶者控除とは、配偶者の所得金額が年間48万円以下の場合に受けられる控除です。納税者本人の収入に応じて、最大38万円の控除を受けられます。配偶者の収入が給与所得だけの場合、年収から55万円を引いた金額が所得金額に該当します。つまり、配偶者の年収が103万円以下であれば控除の対象です。
1,030,000円(年収) - 550,000円(給与所得控除額) = 480,000円(所得金額)
上記を超過すると、配偶者控除が受けられなくなるため、パートナーと話しあったうえで、所得を調整することが大切です。また、納税者本人の所得金額が年間で1,000万円を超える場合は、配偶者控除は利用できないため注意しましょう。
参考:配偶者控除|国税庁
配偶者特別控除
配偶者特別控除は、配偶者の年間所得が48万円超133万円以下の場合に適用される控除です。納税者本人と配偶者の所得に応じて、最大38万円の控除が受けられます。
配偶者特別控除も同様に、配偶者が一定の収入以下の場合に適用される控除です。しかし納税者本人の年収が1,000万円を超える場合は利用できません。また、配偶者控除との併用もできないため注意しましょう。
参考:配偶者特別控除|国税庁
扶養控除
扶養控除は親や子どもなどの、扶養している家族がいる場合に適用される控除です。配偶者以外に、年間所得が43万円以下の扶養家族がいる場合に利用できます。
扶養控除は、扶養家族の人数や年齢によって控除額が変わります。控除額を表にまとめました。
扶養家族の区分 | 控除額 |
|
38万円 |
|
63万円 |
|
48万円 |
|
58万円 |
家族構成により計算が複雑になるため、年末調整の際は慎重に確認しましょう。
参考:扶養控除|国税庁
障害者控除
障害者控除は、本人や扶養家族のいずれかに、障害を持つ人がいる場合に受けられる控除です。障害の程度に応じて控除額が変わります。区分ごとの控除額を表にまとめました。
障害者の区分 | 控除額 |
障害者 | 27万円 |
特別障害者 | 40万円 |
同居特別障害者 | 75万円 |
障害者の区分は、障害の種類や等級、生活状況によって変わります。個人で判断するのは難しいため、住んでいる地域の役所に確認しましょう。
参考:障害者控除|国税庁
まとめ
期間工は、多くの場合契約社員という形で契約先の企業から給与として報酬を受け取ります。税金や社会保険料は給与天引きとなるため、手続きや支払いを自分で行う必要はありません。ただし、どことも取引を結んでいない期間は、自身で支払う義務が生じるため注意してください。
また期間工をやめると、翌年の税金が高くなる可能性があります。無計画にやめると生活が圧迫されるため、貯金をするなどの準備をしてから実行しましょう。一方、適切な知識を持っていれば、控除制度を利用できるなどのメリットもあります。この記事を参考に、支払いの漏れや不要な税金が発生しないように工夫してください。
スタッフ東海では、三菱期間工を大募集しております。入社6ヶ月間で特典手当等総額63万円(規定有り/経験者手当含)で20~50代が大活躍中です。
ぜひお気軽にご応募ください。